救急車うるさい vs いつか自分も世話になるかもしれないのにぃぃぃ!!!
私は以前は救急車のことは「騒音」とは見なしていませんでした。
その必要性や頻度に鑑みて、悪質さはない、と判断していたのです。
しかし最近、救急車が調子に乗りすぎていると感じます(註1)。
不必要に大音量かつ頻繁に走り回っていると感じます。
サイレンのみならずアナウンスまで加えての大騒ぎ。
そんなに頻繁に急病人や怪我人が発生するものなのか?
そんなに大騒ぎしなければ搬送できないものなのか?
大いに疑問です。
したがって、私は考えを変えました。
救急車も騒音源の一つです。
おそらく自治体や地域によって差があるのでしょう。
ネットで少し検索してみたところ、人によって、言っていることの温度差が大きい。
毎日何台も大音量で走り回っている地域もあれば、そうではない地域もある。
そして、おそらく、大まかに言って、
そうではない地域に住んでいる人々が「キレイごと」を言っているのでしょう。
キレイごとは常に紋切り型であり、バリエーションはさほど多くありませんが、
今回特に取り上げたいのは、これです。
「いつか自分も世話になるかもしれないのに!」
このカードを出されると、議論がそこで打ち切りになってしまうのが常です。
「たしかにその通り」であり、誰も反論できない。
しかし、議論が打ち切りになったからといって、問題が解決したことにはならない。
打ち切りになった議論の後に、問題が宙吊りになったままになる。
ですので、今日はこれに少し反論をしておこうと思います。
いつか自分も世話になるかもしれない。
これ自体は、確かにその通りです。誰だって病気もすれば怪我もする。
しかし、この後に「だから○○○」と続く次の言葉は必ずしも「その通り」とは言いきれない。
キレイごとのロジックでは、「だから我慢しろ」となる。
しかし、こうも言えないでしょうか?
「だからこそ、近所迷惑になるようなことはしないで欲しい」
いつか自分が急病や怪我で救急車を呼ぶことがあるかもしれない。
そのときに遠慮なく呼べるかどうか?
普段からあまりに騒ぎすぎていると、
いざと言うときに、呼ぶのを躊躇してしまわないでしょうか?
「この程度のことで大騒ぎしていいのだろうか……?」
「痛くて苦しいけど、私さえ我慢して、朝になってから病院にいけばいい……」
こんなふうに思ってしまう人がいるのではないでしょうか?
そして、その中には、そのために手遅れになってしまう人もいるかもしれない。
普段もう少し音を抑えていれば遠慮なく呼べて助かる命だったかもしれないのに……。
「擁護派」の方々は「命がかかっているのだから、いくらうるさくても我慢せよ」とおっしゃる。
まるで音を出せば出すほど救命率がアップするかの如くおっしゃる。
しかし逆効果という場合もあるかもしれませんよ?
もうちょっと静かであれば早めに遠慮なく呼べて、助かっていたはずの命が、
野放図に音を鳴らしまくっているせいで、呼ぶのを躊躇して、
助からなくなる可能性もあるのではありませんか?
もちろん、この「反論」も完璧ではありません。
これを言ったとして、おそらくこんなふうに言い返されるだろうな……、と思い浮かぶものがいくつかあります。
そして、それに対しても、また次の「反論」を考えることができる。
しかし、そうした架空の議論をここに書くことに意味があるとはあまり思っていません。
そもそも大体、騒音問題に限ったことではありませんが、
この手の「議論」は「議論」というよりも、「紋切り型の言葉のぶつけ合い」にしかならない。
言葉をやりとりする過程を通してお互いに見識を深めていく……という建設的な議論にはならない。
だから、今回のところは、
「だからこそ近所迷惑になるようなことはしてはいけない」
というフレーズが、この件に関する「紋切り型」のバリエーションの1つに加わってくれれば、
さしあたり、よし、とするべきかなと思っています。
というわけですので、このページを検索して読んでいるそこのあなた、
こんなページを検索しているぐらいですから、
きっと、あなたも、救急車の騒音に苦しめられている被害者の一人ですよね?
救急車のことで文句を言いたいけど、世間にはびこる「キレイごと」に口元を押さえ付けられていたりはしませんか?
そんなあなたにこそ、この言葉を言っていただきたい。
「だからこそ近所迷惑になるようなことされると困るんですよ!」
私は騒音被害者の味方です。
▽ こちらも読んで欲しい:騒音被害者応援テキスト集です
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(註1)
救急車「が」調子に乗っている、という言い方は、やや語弊のリスクがあります。
救急車は誰かに呼ばれて出動している。誰も呼ばないのに勝手に巡回したりはしない。
その点で、選挙カーや廃品回収車などとは根本的に異なります。
そしてその点が「救急車の騒音問題」を複雑にしている要因でもあります。
それについてはまた機会を改めて書きたいと思います。
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