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◆◆ 思ったこと: ◆◆

        「ゆとり横断者用押しボタン」というものをご存知でしょうか?
        私が住んでいる地域には、そういうものがあります。
        横断歩道の信号機の近くに設置されているボタンです。
        
        このボタンを押すとどうなるか?
        信号が青になっている時間が長くなります。
        (らしいです。私は押したことがありません)
        
        なんのためにこのボタンがあるか?
        体が不自由な方やお歳を召した方などのために設置されているそうです。
        つまり、横断するのに時間がかかる方のために、ということのようです。
        
        いわゆる「押しボタン信号」とは、違うもの、です。
        押しボタン信号は、押さない限り、信号が青になりません。
        だから、渡りたいなら、押さざるを得ない。
        
        一方、ゆとり横断者用ボタンは、押さなくても、青になります。
        だから、スタスタ歩いて渡れる健康な人間は、押す必要がない。
        
        
        ここからが本題。
        
        前述の通り、この「ゆとりボタン」は、ピンピンしてる人間は押す必要がない。
        のですが、押す人を、少なからぬ頻度で、見かけます。
        どう見ても健康そうな人が押しています。
        そして、青になると、やっぱり、元気に渡り切って立ち去ってしまう。
        
        青の時間がどのぐらい長引くのかは、確認してないのですが、
        車の流れが無意味に止められるわけで、決して、よいことではないはず。
        
        なぜ彼ら・彼女らは、ゆとりボタンを押すのでしょうか?
        わかりません。
        直接声をかけて「なんで押したんですか?」と訊くのが一番いいでしょうか。
        ですが、それはかなり、ハードルの高いことなので、
        わからないなりに、推測してみたいと思います。
        
        下記のような理由を、想像します。
        
        ・ゆとりボタンの意味を理解していない場合
            ・押しボタン信号と勘違いしている
            ・ボタンがあったから、なんとなく押した
            ・他の人が押しているのを見たことがあって「ああ、押せばいいんだー」と、なんとなく思い込んでいる
        
        ・ゆとりボタンの意味を理解した上での行動
            ・車社会へのカウンタームーブメントとして。敢えて車の流れを長時間止める目的
            ・周囲に体が不自由そうな人がいた(と、その人には見えた)から、代わりに押してあげた
            ・自分は健康体だけど、青が長い方が安心だから。念のため。
            
        
        可能性として、上記のように考えたのですが、
        下半分は、ありえないですよね。実際。
        あのボタンの意味を理解していて、敢えて、なんらかの目的で押している、
        なんてことが、本当にあるとは、私には、あんまり、思えません。
        
        あるいは、直接声をかけて「なんで押したんですか?」って訊いたら、
        一番下か、下から2番目くらいのことは、口から出まかせで、言うかも。
        催眠術から解けた被験者が、行動の理由を訊かれて、もっともらしい作話をするのと同じように。
        
        うん、だから、つまり、
        私は、上半分の理由が、妥当だと、思ってます。思いませんか? 思いますよね? 多数決。
        
        ただ、なんで、そういう勘違いが、発生するのかが、よくわからないのです。
        確かに、「押しボタン信号」と、紛らわしい、かもしれません。
        でも、区別は、できるはず、なのですよ。
        まず、装置の色が違う。
        押しボタン信号のボタンは、箱が、黄色ですよね。
        一方、ゆとりボタンは、真っ白です。
        さらに、おおきな文字で「これは体の不自由な方のためのボタンです」って、書いてあるのですよ。
        
        もしかして、色の区別が見えにくい、いわゆる色弱の方、なのでしょうか?
        白と黄色って、見分けにくい組み合わせなんでしょうか?
        そういう目の方も、いらっしゃるのかもしれませんね。
        では説明の文章の件は?
        白い下地に、黒い文字で書かれているので、色が見えなくても、この文字は、見えるはず。
        と、思うんですが、そうでもないんでしょうか?
        または日本語が苦手? 日本以外の地域の出身の方なのでしょうか。
        その可能性はありますね。充分ありますね。決して珍しいことではありませんからね。
        
        
        でも、なんで、おいら、さっきから、こんなに、
        弁護するようなことばっかり考えてるのですか?
        「健康なやつが押してんじゃねぇよ!」で、いいじゃん。
        いやいや、本音は、そうなんですけどね、
        でも、他人の事情や考えは、わからないじゃないですか。
        だから、あんまり安易に、人様を批判したくはないのです。
        
        ていうか、こういう、弁護を考えないと、
        私は、彼ら彼女らが、あのボタンを押す理由を、理解できない。
        うん。私は、彼ら彼女らが、あのボタンを押す理由を理解したい。それゆえの弁護なのでした。
        
        他人を理解できないのは、怖いことです。
        押しボタン信号と(なぜか)勘違いした、とか、
        ボタンがあるから、なんとなく押した、とか、
        そんな、意味不明な理由で行動している人間が、街を徘徊している。
        それも、少なからぬ人数。
        
        それって、怖いことなのではありませんか?
        私は怖い。
        あなたは怖くない?
        
        だって、あんなにはっきりと、文章で、説明、書いてあるのに、
        それを読まずに、押してしまうんですよ?
        私はきっと、あの人たちと、会話が、できない。
        
        あのボタンを押す人たちの、行動原理が、わからない。
        
        
        やっぱり、思い切って、訊いてみるしかないんかな。
        「なんで押したんですか?」って。
        殴られるかな?
        
        
        
        
        > 意味不明な理由で行動している人間が、街を徘徊
        
        意味不明といえば、生きてること自体が、すでに、意味不明ですからね。
        なんでもあり、なのかもしれません。バーリトゥード。
        
        
        
        > やっぱり、思い切って、訊いてみるしかないんかな。
        >「なんで押したんですか?」って。
        > 殴られるかな?
        
        あくまで中立的に、相手の目的を訊きたい。
        でも、それだと、批判してるように受け取られる気がする。(逆に?)
        「なんで押したんですか?」
        「文句あるんか、オラオラ!」
        
        
        善意を装って、声をかける?
        「それ、押さなくてもいいんですよ?」
        ケースA →「言われんでも知っとるわい!」
        ケースB →「ああ、そうなんですかー。それはどうもー」
        
        私は、彼ら彼女らがどうして押したのかを知りたい。
        会話を続けて、聞き出す必要があるのですね、この場合。
        
        
        教えを請う態度ならばどうでしょうか?
        「アノ、スミマセン、ソノぼたん、オス、ナゼ、オシエルクダーサイ」
        
        意外と、手取り足取り教えてくれたりしますか?
        ただ、これを実行するには、演技にも顔つきにも自信がありません。