ベーシックインカムが受け入れられない理由
財源、政治、倫理、と3つのハードルがあるそうですが、
私は "倫理" が最も根本的なハードルであろうかと思います。
ここさえクリアできれば、残りの2つはどうにでもなるでしょう。
逆に、ここがクリアできない限り、残りの2つがいくら解決されても、受け入れられることはないでしょう。
"倫理" というか、"そんなもんはケシカラン!" という根強い感情的な抵抗感、です。
なぜそういった感情的な抵抗感があるのか?
突き詰めると、これは、"生きている意味がわからない" ということに行き着くと思います。
平たく言えば、お金の心配をしなくてすむようになったとして、その後、一体何をすればいいのかわからない、ということです。
途方に暮れてしまうんです。
それよりは、お金の問題に追われながら毎日忙しくしていた方が気楽だ、ということです。
同じようなことはすでにお馴染みですよね?
定年退職した後、時間を持て余して奥さんに煙たがられる、という例のあれです。
ベーシックインカムがもしも実現すれば、同じようなことが、もっと根本的なレベルで、人生の最初っから起きる。
お金の心配がなくなると、人生の根本問題に向き合うことができるようになります。
というより、向き合わざるを得なくなってくるでしょう。
それを避けてるんです。
避けるために、わざと、世の中を不便なままにしておきたい。そういうことです。
だから、そこのところ(人生の根本問題)に、目を逸らさずに取り組んでいけるような、そういう精神的・文化的な素地が必要なのだと思います。
そういうものが一切ないまま、イキナリ "自由な環境" に人を放り出す、というのは、もしかすると残酷なことなのかもしれない。
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