鬱は正常なこと
「治った状態」あるいは、「(鬱ではない)正常な状態」こそが異常。
あるいはそうした「元気な」状態が「正常なのである」とする社会的文脈こそ、疑問に付すべき。
鬱が正常です。
なぜか?
本当のことに気付いている状態だからです。
本当のこととは何か?
「何もかも無意味」
ということです。
頭では今まで通りに「仕事しなきゃ」「勉強しなきゃ」と思っているかもしれませんが、
心の底ではもうそんな価値観が嘘っぱちであるということに気付いてしまった。
気付いてしまったら、もう「今まで通りに」「がんばる」ことなんてできっこない。
だって無意味なことだから。
じゃあ代わりに何が意味のあることなのかと言えば、そんなものはこの宇宙のどこにもない。
何もかも無意味。
その恐るべき真理に触れてしまった。
こうなったらもう元には戻れない。
いや、むしろ、このことに気付いた状態こそが「元に戻った状態」というべきかもしれません。
今までが嘘だった。
幻想の中にいた。
忙しく動き回っていた毎日。
身の回りのあれやこれやに意味がある、という幻想。
その幻想が終わりを告げた。
夢から覚めた。
だから鬱を「治す」なんていうのは、
もう一度さっき見ていた夢の中に逆戻りしろ、ということなのであって、
どだい無理な話なんです。
表面的には元に戻った「フリ」をすることはできないことはないかもしれませんが、
あくまでも「フリ」にしかならない。なりえない。なりようがない。
だって、もう、本当のことに気付いちゃってるんだもん。
何もかも無意味。
だから、「治す」なんてのは無駄で無意味で非建設的なことなんです。
逆戻りしてどうすんだ、ってことです。二度寝してどうすんだ、ってことです。
気がついた真実。そこから新たに出発するしかない。
それまでの幻想とは別の方向へ。
誰も教えてくれない新たな道を。本当の道を。
"鬱" のあなたへ。
あなたは人類の最前線にいます。宇宙が始まって以来、誰もたどり着けなかった場所へ向けて。
前人未到の領域へ。
あなたは人類の最前線に立っているんです。
どうか胸をはって。誇りを持って。
「がんばれ」って言っちゃいけないってことになってますが、
それは、それまでの「幻想」の中の価値観を追求することを今まで通りに「がんばれ」というのは間違いだ、ということでしょう。
だって、せっかく幻想ってことに気付いたんですからね。
そんなことには金輪際がんばらない。
そんなものは、もう、正々堂々と捨ててしまいましょう。
別の方向へ。どうか遠慮しないで。
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