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-Mind Logic Linkage- 学園棋神伝マインドル

正しさのためにはおかしいと感ずることを飲み込む必要もあるということなのだろうか?
先輩と同じ教室で授業を受ける。
科目は政治思想史。教養課程の選択科目の一つだ。
例によって特に興味があったわけではなく、単位を取得するために履修しているだけだ。
広い講堂にマイクで拡大された講師の声が響いている。
俺にとっては気を抜くと簡単に眠りに落ちてしまいそうな内容の話だ。
だが今日は少しだけ印象に残る箇所があった。
テーマは民主主義の起源だったか、何かそういうような講義だ。

その中で、日本の高校で実際に起きたというエピソードが語られた。

クラスで何か決め事がなされた。さらに、それに違反した場合は皆の前で裸になるという罰則も決められた。
それらは多数決で決定され、規則として運用されることとなった。

その後、ある女子生徒がその申し合わせに違反し、裸刑が実行されそうになった。
担任の教師はまずいと思い、止めさせようとした。
しかし生徒達は反論した。
これは多数決で決めた結論なのであり、それを教師の一存でひっくり返すのは民主主義に反している。教師の横暴だ。
クラスがおかしな雰囲気になってきた。
教師はどこが問題なのかを説明することができなかった。そして生徒達との議論に負けてしまった。

その結果、女子生徒の裸刑が執行されてしまった。

「さて、これの何が問題だったんでしょう? みなさんもそれぞれに考えてみてください」

講師のその言葉でこの日の講義は締めくくられた。



授業の後の昼休み、俺は先輩とともに大学の食堂へやってきた。
大勢の学生で賑わう食堂の片隅で、テーブルを挟んで互いに注文したものを口へ運ぶ。
だが会話はあまり弾まない。かと言って食事に夢中になっているかといえばそうでもない。
先輩は上の空だ。俺にはその理由がわかる。そして俺もまた同じ理由で食事以外のことが気になっている。

「ねぇ、さっきの授業のことなんだけど……」

「罰ゲームの話、ですよね?」

「うん。あの担任の先生、どうすればよかったのかな?」

多数決で決めたことなのだから従うべきだ。
一見すると正しいように思える。
だが何かがおかしい。
それとも、正しさのためにはおかしいと感ずることを飲み込む必要もある、ということなのだろうか?
飲み込んでもなお、まだ何かが喉の奥に引っかかっているのだ。
出されたものを口に入れて飲み込んで見せたものの、いつまでも何かが消化されることなく、体内で毒素を吐き出し続けてしまうのだ。

「どうすればよかったのかな……?」

食事は進まない。




■ 製品情報
タイトル -Mind Logic Linkage- 学園棋神伝マインドル
ジャンル 学園物ノベルゲーム & 対戦型ボードゲーム
制作 サイトA (http://www.site-a.info/)
配布形態 フリーウェア
キャラクター画像 『コミPo!』で作成。『GIMP』でいじりいじり。
年齢制限 0歳以上。胎児の人はごめんなさい!
公開日 あなたがこのゲームの存在を知った日があなたにとっての公開日なんだぜ。
対応OS Windows7で動作を確認しました。
メモリ 4G以上推奨

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