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-Mind Logic Linkage- 学園棋神伝マインドル

「できることなんて何もない。それでも人には意志がある。だったらどうすればいいんだろう?」
構えを解いた立ち姿。しかし仮面は外さずに俺を見据えている。

「意志の力ではどうにもならないことがある。確かにあなたの言う通り」

仮面の奥にあるはずの先輩がどんな目をしているのか? 俺には見えない。
今口にしているセリフもあるいはスマーティングシステムのサジェストなのだろうか?

「あなたはスマーティングシステムには勝てない。
たとえ今日は勝てても、来年はもう無理。再来年はもっと無理。
人間の力には限界がある。

だから人はスマーティングシステムを求めた。
間違うことを恐れた。
"選んでしまうこと" を恐れた。
それでも人には意志がある。
"選んで" しまっている。生きている限り。
それは否定できない事実。
だから、それを否定することは間違ってる。
間違わないでいるために、さらに間違ってしまっている。
だったらどうすればいいんだろう?

自殺できるほど強い人ばかりじゃない。
だったらどうすればいいんだろう?

できることなんて何もない。
それでも人には意志がある。
無力な意志。
できるのは目を逸らすことだけ。
逃げて逃げて……目を逸らして、逸らして……。
間違わないために、さらに間違って……。
もう誰も顔からゴーグルを外せない。
今更間違いに向き合うことなどできない。
積み重ねた嘘が重すぎる。

それでも人には意志がある。
地球に人間がいる。
何もできない人間がいる。
だったらどうすればいいんだろう?」

見えない。先輩の顔が見えない。
この声は誰の声だ?
俺は今、"何" の声を聞いている?

「もうすぐ試合が始まる。行かなきゃ」

仮面をつけた状態ながら、視線が逸れたように見えた。
仮面の裏側のモニターに試合の開始時間が近い旨のサジェストでも表示されたのだろう。

そして俺に背を向ける。

「会場で会いましょう。あなたに来る意志があれば、だけど……」

背中が遠ざかり、建物の陰に消えた。
俺を呼んでいる……?
呼んでいるのだ誰だ? 先輩が? それともスマーティングシステムが? それとも、もっと別の何か?
俺は先輩に会いにきたんだ。
俺の意志で。
意志は無力だ。
人間は無力だ。
ただ "思う" ことしかできない。
それでも、いや、だからこそ、俺は人間に会いたいと思ったんだ。あなたに会いたいと思ったんだ。
人間が人間を否定して姿を消していくこの世界で、あなたに会いたいと思ったんだ。
先輩、あなたは、まだ、本当にそこにいますか?
俺が今から試合に向かえば、そこで俺は、あなたに会うことができるのですか?


■ 製品情報
タイトル -Mind Logic Linkage- 学園棋神伝マインドル
ジャンル 学園物ノベルゲーム & 対戦型ボードゲーム
制作 サイトA (http://www.site-a.info/)
配布形態 フリーウェア
キャラクター画像 『コミPo!』で作成。『GIMP』でいじりいじり。
年齢制限 0歳以上。胎児の人はごめんなさい!
公開日 あなたがこのゲームの存在を知った日があなたにとっての公開日なんだぜ。
対応OS Windows7で動作を確認しました。
メモリ 4G以上推奨

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