「言っておくが子供を生むつもりはない。キリエの薫陶に従い、私は人間を増やさずにこの世を去るつもりだ」
「そっか。いいんじゃないかな。そういう考え方もあるよね。
こういうのは本人の意志が大事だよね。二葉さんは二葉さんの考えで自由に人生を作っていくといいよね」
こういうのは本人の意志が大事だよね。二葉さんは二葉さんの考えで自由に人生を作っていくといいよね」
「それは違うぞ。正確ではない」
「えっ?」
「なぜなら、生まれてくる子供の意志を確認して子供を生むことはできないからだ。
ゆえに、子供を生むということは本人の意志を無視することに他ならず、
"本人の意志を大事にする" という言明と "子供を生む" という言明は不可避的に矛盾する。
"本人の意志を大事にする" ならば、私の自由も制限される。
"本人の意志を大事にする" からこそ、私は子供を生んではならないのだ。
"本人の意志を大事にする" という選択の必然的な帰結の一つが "子供を生まない" ということなのであり、 これ自体が自由にもとづく選択というわけではない」
ゆえに、子供を生むということは本人の意志を無視することに他ならず、
"本人の意志を大事にする" という言明と "子供を生む" という言明は不可避的に矛盾する。
"本人の意志を大事にする" ならば、私の自由も制限される。
"本人の意志を大事にする" からこそ、私は子供を生んではならないのだ。
"本人の意志を大事にする" という選択の必然的な帰結の一つが "子供を生まない" ということなのであり、 これ自体が自由にもとづく選択というわけではない」
「そっか。確かにそうだね。勉強になったよ」
「ちなみに今のはキリエの受け売りだ。詳しくはキリエに問い合わせてくれ」
「うん。今度聞いてみるね」