「ちょっと、あんた、馴れ馴れしいんじゃないの?」
私に言っているのだろうか?
だが今は授業中だ。
私は授業に集中する。
「……シカトかよ」
小さく放たれたその言葉は、教壇に立つ教師の話に掻き消された。
私は授業に意識を向ける。
だが、すごく嫌な感じがする。
私に向けられている否定の意識を感じる。
私は人の心がわからない。人が言っている言葉の意図が読めない。
それでも、どういうわけか、自分に向けられている否定的な意識だけは明確に感じることができてしまう。
きっとまた私は人を不快な気持ちにさせてしまったのだ。
どうすればよかったのだろう?