頭が痛い。少しフラつく。が、体に伝わってくるこの振動はそれとは明らかに別だ。
俺は頭を押さえながら立ち上がった。
「亮介、大丈夫か?」
「なんだ、心配してくれるのか? めずらしいな」
「私は人の心が読めないだけだ。私が人への気遣いができないと思っているなら大間違いだ」
「そうだな。すまん」
足元から振動が伝わってくる。振動は徐々に大きくなっているようだ。
どこかで何かが崩れるような音が聞こえた。