「……マインドルは、楽なゲームだな。
何も考えなくていい。
ただ、自分が正しいと思う手だけを指していればそれでいい」
何も考えなくていい。
ただ、自分が正しいと思う手だけを指していればそれでいい」
「二葉知子にとっては、この地下世界の方が居心地がいいということなのか?」
「人の心がわからない。
おまえの手が読めない。
だが、相手の手を読む必要などないんだ。
私はただ、自分が正しいと思う手を指していればそれでいいからだ」
盤上は自由だ。
明確なルールと目的に守られて、私はいつでも正しい。
他人の是非を問う必要さえない。この自由さ!」
おまえの手が読めない。
だが、相手の手を読む必要などないんだ。
私はただ、自分が正しいと思う手を指していればそれでいいからだ」
盤上は自由だ。
明確なルールと目的に守られて、私はいつでも正しい。
他人の是非を問う必要さえない。この自由さ!」
「あの部室だって自由な場所だったはずだ。
俺の考えは間違っているのか?」
俺の考えは間違っているのか?」
「自由? 自由だって?
私は人の心がわからない。亮介がわからない。
だから何をすればいいのかわからない。これ以上の不自由などあるものか!」
私は人の心がわからない。亮介がわからない。
だから何をすればいいのかわからない。これ以上の不自由などあるものか!」
「何をしてたっていいんだ。しなくたっていいんだ」
「私にできるのはマインドルだけだ」
「できることはマインドルだけ? なら、それでいいじゃないか!」
「おまえの手が、読めないんだ。
この盤上でも、盤外でも、私には、どうしても、おまえの手を読むことができないんだ!
それなのに、こうして指すことができてしまう。
私はここから出ることができない!」
この盤上でも、盤外でも、私には、どうしても、おまえの手を読むことができないんだ!
それなのに、こうして指すことができてしまう。
私はここから出ることができない!」
「出ていたじゃないか。あの部室で、俺に構わず自習していた二葉知子を俺は覚えている。
知子はいつだって自由だったはずだ。いつだってマイペース。俺にはそう見えていた」
知子はいつだって自由だったはずだ。いつだってマイペース。俺にはそう見えていた」
「マイペースだと? とんだ勘違いだ。
亮介は知らないんだ。私がどんなに他人の目を気にしているか。
他人は勝手だ。他人は自由だ。私にはどうしても操れない。
なぜなら他人には他人の意志があるからだ。
そして他人はいつでもその自由さで私を否定することができる。
それでいて私は、どうしても他人を理解することができない。
根源的に私とは別個の存在だからだ。
越境不可の絶望的断絶!」
亮介は知らないんだ。私がどんなに他人の目を気にしているか。
他人は勝手だ。他人は自由だ。私にはどうしても操れない。
なぜなら他人には他人の意志があるからだ。
そして他人はいつでもその自由さで私を否定することができる。
それでいて私は、どうしても他人を理解することができない。
根源的に私とは別個の存在だからだ。
越境不可の絶望的断絶!」