「知子……?」
なんなんだこの状況は。
今、俺の目の前に立っているのは、本当に知子なのだろうか?
「折原亮介、私は……おまえを探すためにここまで来た。
だが、私は、マインドルでしか、他人と関わることができないんだ」
だが、私は、マインドルでしか、他人と関わることができないんだ」
そうだ。これは知子だ。
間違いなく知子のはずだ。
確信を固める俺の目の前で、知子はそっとうつむいた。
うつむいて、知子は手の中の仮面を顔に装着した。
そして、顔を上げた。
「知子……」
なぜ仮面をつけるのだろう?
言葉が思い浮かばず、俺はただ知子の名を呼ぶ。
「亮介に会って間もない頃、私をそう呼ぶようにと、おまえに言ったことがあったな。
亮介は今でもそれを守ってくれている。ありがとう。
だが、それももう終わりだ。
もう、その名で私を呼ばないでくれ。
私は……」
亮介は今でもそれを守ってくれている。ありがとう。
だが、それももう終わりだ。
もう、その名で私を呼ばないでくれ。
私は……」