食パンをトースターに入れようとして、手が止まった。
焼く必要はあるのだろうか?
焼かずに食べてみた。何の問題もなかった。
なぜこの日までずっとパンを焼いて食べていたのだろう?
そうするものだと、ただ思い込んでいた。
きっと、本当はしなくてもいいことは他にもたくさんある。
目玉焼きもきっといらない。牛乳もきっとなくていい。
一人分の朝食が並んだテーブルを眺めて、私は思った。
私はなぜこんなにも手の込んだことをしているのだろう?
誰も何も言わないのに。
朝食を食べる必要すら本当はないのではないだろうか。