「いい天気だねぇ」
「うーん」
雨が降りそうな気配はないが、空には全体的に厚い雲が広がっている。
そう特別 "いい天気" と言えるような天気ではない。
「あ、亮ちゃん、その顔は……。
"別にいい天気じゃない" って思ってる顔だ!」
"別にいい天気じゃない" って思ってる顔だ!」
「そんなことはない」
「本当にぃ〜?」
「すいません、嘘です」
「ふっ。またつまらぬ心を読んでしまった」
「つまらぬ心で悪かったな」