「亮ちゃん、最近忙しそうだね。何してるの?」
「すっげぇ面白いゲームがあるんだ」
熱っぽい言葉が俺の口から飛び出す。
「中毒性が高くて、一度やり出すと止まらないんだ。おまえもやってみろよ」
「中毒になんか、なりたくないよ……」
キリエは自室へと去ってしまった。
あの面白さを知らないとは不憫なやつだ。
さて、こうしちゃいられない。早くゲームを再開しよう。
俺の生活は完全にそのゲームを中心に回るようになっていた。
毎晩遅くまでゲームを続ける。
ゲームをやめたときには明け方になっていることも珍しくない。
学校に遅刻することも多くなった。