「マグロって知ってる? 回遊魚の。
マグロはさぁ、泳ぐのをやめると窒息して死んじゃうんだよ」
マグロはさぁ、泳ぐのをやめると窒息して死んじゃうんだよ」
「ああ……その話は聞いたことがあるな」
俺は聞きかじりの知識を思い出しながら答える。
「えっと、あれだろ?
マグロのエラは他の魚と違って動かすことができなくて、
新鮮な海水をエラに送り込むには口を開けて泳ぎつづけるしかなくて、
だから、泳ぐのをやめると酸欠になって死んでしまう……だっけ?」
マグロのエラは他の魚と違って動かすことができなくて、
新鮮な海水をエラに送り込むには口を開けて泳ぎつづけるしかなくて、
だから、泳ぐのをやめると酸欠になって死んでしまう……だっけ?」
「そうそう。それを知ってるなら、私の言いたいことはわかるよね」
「……スミマセン。ワカリマセン」
「つーまーりー! 亮ちゃんが何かしゃべってくれないと、私は死んじゃうってことなんだよ!
亮ちゃんは私を殺す気なの?」